実体験:外壁塗装の闇、安い業者は大丈夫か?複数社の見積もりの見比べた結果

さて、前回外壁塗装に関して、3社の見積もりを取りました。いったいどれがいいのでしょうか。値段だけで行けば、A社に決定するのがよさそうです。なぜA社はこんなに安いのか。この価格は本当に適正なのか。正しく施工されるだろうか。安いと安いで不安になってしまいます。もう少し、詳しく見積もりを見比べていきましょう。

前回の記事はこちら:

住宅を購入して約15年、住宅ローンも残っているのにそろそろ外壁塗装をしなければなりません。10年目で1度検討しましたが、その時は様子を見ることにしました。しかし、今回はもうやる...
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複数社の見積もりの見比べかた

複数社の見積もりをとって並べたところ、業者により記載されていない項目もあります。記載されていないものはどうなっているか、必ず問い合わせましょう。前回作成した表に加え灰色になっているものは、含まれているかどうかを業者に電話で聞いたものです。

項目が揃ってもただ並べて見ただけでは、まだ比較しづらいと思います。塗装業者と話して得た知識をもとに「塗装の作業種別(工程)」ごとに分類していきます。足場洗浄シーリング付帯部塗装外壁塗装その他くらいの種類で分類(色分け)しました。

作業種別(工程)毎に、合計して比較

分かりやすくするために、作業種別毎の合計を表にしました。かなり比較しやすくなったと思います。結果として赤い文字の部分が大きく価格に差が出た部分になります。

価格が安く、候補だったA社は、足場代が他よりも高く設定されていることが分かります。また、付帯部の塗装がかなり安く設定されていそうです。

この結果、A社の見積書をよく見ると、付帯部の塗料はグレードの低いものかつ、塗回数が書いてありませんでした。問い合わせたところ、1回とのことです。また、付帯部の施工保証は「なし」となっていました。

A社のキャンペーンの一部を思い出してみると、「足場代半額」とのことでした。半額であれば、他より安くなりますが、もともと高く設定しており、「かなり安くなった」と感じさせるようしているのかもしれません。

塗料のグレードはメーカー保証で比べる

あとは、塗装のグレードになりますが、使いたい塗料メーカーが決まっていれば、ほぼゴールですが、通常はどのメーカーがいいのか、どのグレードがいいのかわからないと思います。

そして、各社とも異なる塗料メーカであり、単純に比較することはできません。そこで、私は、施工保証やメーカー保証の年数で比べることにしました。保証できるということは、それだけグレードが高いと考えたためです。

一番、外壁塗装費の高いA社のメーカ保証期間は7年、一番塗装費の安いB社の塗料のメーカ保証期間も7年でした。一方、C社のメーカ保証期間は10年でした。このように塗料メーカの保証期間で比較すると、A社とC社の塗料はC社の方がグレードが上なのに、両社の価格が近いことに疑問を持たざるを得ません。また、A社にはバルコニー塗装が含まれていない見積もりとなっていることにも驚きました。

ここまでの事実が分かったところで、価格でA社を選ぶというのもありでしょう。メーカー保証で、C社を選ぶというのもありだと思います。間をとって、B社というのもありです。

業者との話し合いにも考慮する!

A社に付帯部塗装のグレードを上げてもらい、バルコニーも施工してもらった場合、仮にB社C社くらいの金額だと仮定した場合、金額は10万円ー15万円ほど値上がりするので、100万-105万円となりますのでそれでも、A社が一番安いですね。

結局、私は、最終的には、業者とどんな会話をしたかで、信用できる業者かどうかを決めました。たとえば、私自身、価格でA社に揺れていましたが、外壁のグレードはやけに高いものを勧めて来ていたのに、まったく話にも出なかった付帯部の塗料がショボかったり、付帯部の施工保証がなかったり、バルコニー塗装はなしだったりと、少しだまし討ちを食らった気がしていて、「この業者は信用できないな」と感じ始めたこと、付帯部のグレードアップを相談した場合、他の業者ともあまり金額差がなくなること、などからA社はナシにしました。

外壁塗装だけがいくら長持ちしても、付帯部の塗直しが必要になると、再度足場を付帯部だけ再作業する必要があります。もちろん、最初からそういう点を抑えていて、他より価格を安くしているということを説明してくれていれば、候補としてはありだったと思います。

最終的に、営業さんの態度や会話が信頼できそうだったこと、付帯部の施工保証もしっかりとついていること、B社で塗料のグレードを上げると(メーカ10年保証のもの)、C社とほぼ変わらなくなったことなどから、C社を選びました。結局、3社で出した見積もりで一番高い業者を選んでしまいましたが、ここまで比較し納得して払う金額であれば、良いかなと思います。

100万円近い高い買い物です。安物買いの銭失いということわざのように、適当な工事をされないように、信頼のできる業者を自分で探し出しましょう。

塗装業界の闇

Webで相場を検索すると、「1割以上引く業者は怪しい」よく見かけるます。実際今回のように比較してみると確かに、1割以上引いてくれた、A社に関しては、足場や塗料代を最初から盛っていたのではないかと感じる結果となりました。さらに、A社は外壁塗料の耐久年数に関しての説明は、かなり長く時間をとって、上のグレードを勧めていたのに、付帯部に関する説明は全くありませんでした。

これは、価格優先でお得に見せる手法として、「最初から盛っていた価格を値引きと称した」「付帯部塗装を同グレードにすると高くなるため煙に巻いて話を進めた」ように感じました。まさに、塗装業界の闇の部分を見た気がして、残念でした。

私としては、2時間も話しているのだから、外壁塗料の上位のグレードなど勧めず、ちゃんと安くしている理由を説明して、付帯部のグレードが低くても大丈夫な理由とか、付帯部のグレードも上げるパターンなどを説明してくれていれば、安心できたと思います。逆に「隠しているような・誤魔化しているような」部分が見えてしまうと、施工時も何か「手抜き」されるのではないかと気になってしまうため、業者選定から外します。

100万円近い、決して安くない買い物です。顧客の側としても少しでも安くしたいという思いはあります。しかし、ただコスト重視だけで業者を選ぶと、最終的に「手抜き工事」や、「施工不良」に巻き込まれ、「期待通りの施工」とならないかもしれません。

しっかりと自分の目で耳で足で時間をかけて見積もりを比較し、単純な最終価格だけの業者比較は避けた方が良いと感じました。
この記事が皆さんの、見積もり比較や業者選定の一助になればと思います。