ソーラーパネルの施工不良についてクレームした話

ソーラーパネル(太陽光パネル)の取り付け後に見つけた業者の施工不良と、施工不良についてクレームした内容について紹介します。

すでに設置し終わった方は施工不良の発見や、施工不良を発見した場合の対応の参考にしてもらえると幸いです。また、いまからソーラーパネルを設置される方は、契約時のポイント施工中の監視ポイントを把握し施工不良されないように参考にしてもらえると幸いです。

以下の記事では、わが家が訪問販売でオール電化に切り替えたことを紹介しています。しかし、施工不良についてはすべて施工業者と私個人がやり取りすることになりました。セールスマンは最初だけいい顔して寄り付いてきただけで、施工不良発覚後はまったく役に立ちませんでした。訪問販売は二度と信用しません。詳細は以下を参照してください。

すこし昔のことになるのですが、うちは訪問販売でオール電化に切り替えました。 当時、オール電化や太陽光発電に興味をひかれていたこともあり、ショッピングモールなどで太陽光フェ...
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屋根の構造

施工業者とやり取りするには、特に屋根に関する知識が必要です。以下を基礎知識として知っておいて、自信の家に合わせて細かく検索してみてください。

出典:ハウス情報ドットコム

屋根材

屋根材は一番外側に見えるもので一般人の呼び方では瓦ですね。おおむね以下のようなものがあります。外壁と同じで風雨や砂塵から真っ先に家を守ります。また、カラーバリエーションなどが豊富なものもあり化粧板のような役割もあります。写真は、左から、瓦屋根、スレート、ガルバリウム鋼板です。うちはスレートでした。

ルーフィング

面の屋根材で防ぎきれなかった雨水をこのルーフィングが防ぎます。私の理解では、雨漏りに関して最も重要な部分です。ルーフィングが破損すると雨漏りの原因になります。こちらも種類はいろいろありますが、うちはアスファルトルーフィングでした。

出典:ハウス情報ドットコム

野地板

ルーフィングと屋根材を支える屋根の下地です。野地板には厚さが 9mm~15mm の合板やバラ板が使われることが多いようです(写真は左が合板、右がバラ板のイメージ)。うちの野地板は 厚さが 9mm のバラ板でした。再貧弱のものです。

最近の家は合板が多いようですが、古い家や建売住宅には、湿気の対策としてバラ板が使われているようです。この野地板は屋根裏に入ると見えます。さらに野地板がバラ板の場合は、隙間からルーフィングも見えます。

出典:朝山元嗣商店ブログ

垂木

屋根の棟から軒に向かって設置される材木です。垂木に野地板を固定し、ルーフィングや屋根材を支えます。住宅の大きさにもよりますが、垂木は一定の間隔で配置されていることが多いようです。今回紹介している屋根を構成する部材で最も頑丈な(太陽光パネルを固定するのに適すると考えられる)部分です。

出典:ハウス情報ドットコム

参考・出典:
ハウス情報ドットコム:https://housejoho.com/
朝山元嗣商店ブログ:http://asayamasyoten.blog74.fc2.com/

ソーラーパネルの設置

ソーラーパネルの設置方法(工法)について要点を紹介します。さらに詳しく知りたい方はこの2つの工法をキーワードとして検索するとよいです。

この話を先に聞いていれば、私は絶対に垂木固定を指定していたと思いますが、セールスマンは自分が不利(面倒)になる情報は教えないため、うちは話す余地もなく野地板固定で施工されました。

垂木固定工法も野地板固定工法も、スレートの場合は設置する架台は同じで以下のようなイメージです。(最近は縦ラックがない場合もあるようです。)以下は、施工取説かカタログから抜粋し編集しました。

垂木固定工法

垂木にソーラーパネルの架台(取り付け金具)を打ち込む工法です。

垂木は、屋根の構造の説明でも紹介した通り、屋根の構成部材の中で最も頑丈な部材であるため、ソーラーパネルの架台を設置するためのベストな部分です。

さらに雨漏りの観点からも取付ねじの貫通がないため、野地板に架台を設置するより優れています。そのためメーカーによっては「雨漏り保証の条件」として、この工法を指定しているところもあるようです。自分の契約したメーカーの推奨する工法は、ちゃんと調べて知っておきましょう。

垂木の位置を測るのが面倒なため、施工業者が嫌がります。契約時に特に指定しない場合は、野地板固定で施工されるはずです。

絶対に垂木に架台を固定してほしい場合は、

  • 契約書に特約事項などで、垂木固定で施工する旨を書かせる
  • 垂木固定必須のメーカーを契約する

ここまでして、垂木固定の施工がされていなければ、「債務不履行」や「施工不良」として屋根ごとやり直しさせる勢いで、クレームを入れることもできるでしょう。

最近では、以前は垂木固定しか認めていなかったメーカも野地板固定を認めるような傾向にあるようです。そのため契約時にしっかりと話し合うのが良いです。

野地板固定工法

野地板にソーラーパネルの架台(取り付け金具)を打ち込む工法です。

野地板は、屋根の構造の説明でも紹介した通り、10mm程度の厚みであるため、正しく施工しないと強度不足、取り付けねじの貫通による雨漏りトラブルが発生します。

さらに野地板が、バラ板の場合は設置不可とするメーカもあります。うちは前述のとおりバラ板であり、一般的に見てソーラーパネルを設置するのは非推奨な家屋になりますが、当時は屋根に対する知識がなかったため何も考えず設置してしまいました。

一般的に野地板が薄い場合やバラ板の場合には、裏打ちの補強板を入れます。

ただし垂木が細いなど屋根の状態によっては、野地板固しかできない場合もあります。もしかしたら、うちもそうだったかもしれませんが、契約時に説明がアルのとナイのとでは、心象的には大違いです。

施工不良発見

ソーラーパネルの設置後に、すぐに大雨がありました。ソーラーパネルの設置が雨漏りの原因になる可能性があることは、さすがに知っていたため、何となく不安で早めに見ておこうと屋根裏に登ったことがすべての始まりでした。

屋根裏の確認

私が本来「こうなる」と思っていた施工例は以下です。【断面図】を見ての通り、木ねじなどが飛び出さないのが正解と思っていました。(※ 以下の画像はどこかのメーカのサイトから持ってきたのですが忘れてしまったため出典が書けていません。)

しかし、うちの施工は以下のように、屋根裏の入り口を開けた瞬間に補強板と思われる板(黒い板)からつきだす木ねじが確認できました。ほかにも黒い板から大量に木ねじが飛び出ていたため、施工は本当にこれであっているのか不安になり調査を開始します。

施工例は木ねじが垂木に入っているので垂木固定で、うちは野地板固定の工法ですので、木ねじが飛び出ていることは問題ありませんでした。
ただし、木ねじの取り付け時に防水加工されていることは重要です。

全ての補強板を確認

前述してきたような、屋根の知識やソーラーパネルを固定する工法の知識がなかったため、はじめて木ねじが飛び出る我が家を見たときは絶望しましたが、調査したところどうやら野地板工法の場合は、これが普通のようです。

しかし、打ち合わせや相談もなしに強度的に劣る野地板工法を施工した業者に不信感を抱いたため、屋根裏に入りいくつかの補強板を確認することにしました。すると、「打ち損じ」や「補強板のズレ・破損」を発見しました。もはや補強板の意味をなしていないものまであり、雨漏りどころか、強度的な問題についても不安です。そのため、すべての補強板の施工状態を写真に撮り問題がありそうなものをピックアップし、これらの写真を引き渡し時に、セールスマンに見せクレームしたところ、なぜか私が直接施工業者と打ち合わせすることになりました。

一部ですが、セールスマンと施工業者にクレームした写真を上げておきます。

わざわざ垂木をかするように打たれた木ねじから始まり、奥に行くと作業がしずらかったのか、補強板のセンターが全く取れておらず手抜き作業感がひどくなっていきます。全く計測せずにやった感が満載なうえに、屋根の上で作業する人間と、屋根裏で作業する人間の意思疎通がとれていない状態です。

私がDIYでやった方がもっときれいに出来そうだと感じるほどでした。ただし、品質レベルの問題は、債務不履行にするのは難しいようなので、あきらかに雨漏りや強度的な問題のある個所をやり直させることを目的とし、冷静に対処しました。

わざわざ垂木をすり抜ける木ねじ:

補強板破損:

補強板ズレ:

補強板のうき:

これらの写真を見せて、このような補強に意味があるのか、強風時の強度は大丈夫なのかと、施工業者に見解を求めたところ、あっさりと再作業をすることを認めました。

再施工計画も適当

施工業者が再施工することを認めても安心できません。どのように再施工するか説明させたところ、「木ねじを抜いて打ち直す。」と言い出しました。ありえませんよね?今まで読んでこられた方なら、わかっていただけると思いますが、ルーフィングに一度穴を開けた状態で、木ねじを抜いてしまったらそれこそ雨漏りの原因になります。そのことをどう考えるか、再度質問したところ業者は黙ってしまいました。

正直なところ、ルーフィングごとやり直してほしいほどの怒りがありましたが、この施工業者のレベルではちゃんとした屋根の葺き替えは無理でしょうし、こちらもクレーマーではなく正しく施工してほしいだけなので、あくまで冷静にどうすべきかを納得できるまで話し合います。

最終的に

結局、打ち損じているものはそのまま残す方が雨漏り的には安心という判断になり、強度的に弱くなってしまっている箇所には、縦ラック固定部品を追加し強度を増すこととなりました。

また、メーカー保証に影響がある可能性があるため、訪問販売店と施工業者両方の連名で雨漏り保証の念書を社印入りで作成させ、メーカー保証が下りない場合は、両社が代わりに保証することを誓約させました

作業日は、やり直しが必要と判断される補強板に番号シールを貼り、その番号周辺に設置された追加の縦ラック固定部品を固定する、補強板が正しく施工されたことが確認できる作業中の写真を撮らせてすべてを目視で確認しました。