2026/05/24~2026/05/30 振り返り

今週のマーケット要約

今週最大のサプライズは、週後半の米・イラン停戦60日延長の覚書で「ほぼ」合意というニュース。3月から事実上の閉鎖が続いていたホルムズ海峡の通行再開への期待が一気に高まり、ブレント原油は週前半の106ドル前後から金曜には92.56ドルまで約13%急落した。

エネルギー価格の高止まりがグローバルインフレの主因となっていただけに、市場全体のリスク警戒感が和らぎ、VIX(恐怖指数)は17.26から15.32へ低下した。

一方で米国株はAI・半導体セクターが相場を下支えし、Dellが前日比+33%の史上最大の上昇を記録し、S&P500・NASDAQが連日最高値を更新した。同日の東京市場でも日経平均が前日比1,636円高の66,329円と史上最高値を更新した。

今週の主導アセット(Market Drivers)

イラン停戦交渉進展・原油価格急落

米国とイランが「フレームワーク合意」に達したとの報道が流れ、ホルムズ海峡の機雷除去・再開通に言及した。トランプ大統領の最終承認を待つ段階とされ、3月以来続いてきたホルムズ海峡の実質閉鎖が解消に向かう可能性が浮上。これを受けてブレント原油は106ドル台から92.56ドルへと急落し、5月の月間下落率は約21%に達した。原油高がインフレを押し上げていた構図が変わりつつあり、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げシナリオにも影響を与えうる重要な転換点となった。

AI・半導体セクターの好調継続

AI(人工知能)関連企業の勢いは今週も衰えなかった。Dell が AIデータセンターへの投資拡大を追い風に、Q1(第1四半期)好決算で通年利益見通しを上方修正し、株価が33%急騰したほか、HPEが17%、スーパーマイクロが10%それぞれ上昇した。マイクロン・テクノロジーは5月26日に初めて時価総額1兆ドルを突破(過去12か月で株価+830%)。サムスンは次世代AI向けHBM4E(高帯域幅メモリ)の量産出荷を開始し株価+6%で応えた。Nvidiaの時価総額は5.5兆ドルに達し、PHLX半導体指数の年初来上昇率は+65%と、AI投資ブームの恩恵がサプライチェーン全体に広がっていることを示した。

FRB政策金利据置・利上げシナリオが浮上

FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利を3.5〜3.75%に据え置いている。今週は複数の地区連銀委員がインフレが加速した場合の利上げ検討姿勢を示すコメントを発表した。インフレ退治の主犯ともいえるホルムズ危機が解消に向かう一方で、実効関税率は依然として11.8%で継続中。次回FOMC(連邦公開市場委員会)は6月16〜17日に予定されており、Warsh(ウォーシュ)新議長体制での初の政策決定として注目されている。

週間パフォーマンス表

米10年債はホルムズ海峡を巡る停戦進展期待がインフレ懸念を後退させた上、PCEが前月比で鈍化したことも加わり、週末には4.44%台まで低下した。
日経平均は米国のAI株高・停戦期待を背景に外国人投機筋による先物買いが集中し、05/29に史上最高値を更新。NT倍率が歴史的高水準にあり、一部銘柄主導での歪みに警戒感も存在する。

市場 前週末 今週末 週間騰落
S&P500 7,473 7,580 1.43%
NYダウ 50,580 51,032 0.90%
NASDAQ 26,344 26,973 2.39%
米10年債 4.556 4.437 -2.61%
日経平均 63,339 66,330 4.72%
TOPIX 3892.46 3957.17 1.66%
WTI原油 97.0 87.8 -9.53%
ゴールド 4509.7 4540.5 0.68%
DXY 99.3 98.9 -0.38%

市場センチメント

今週の投資家心理は、イラン停戦交渉進展を受けたリスクオフ後退により、週末にかけて安定感が増した。VIXが20を一度も超えずに推移したことは、地政学リスクや関税政策の不確実性が残るにもかかわらず、AI企業の好決算と原油急落が市場の動揺を抑えたことを示している。一方でAAII(米国個人投資家協会)の最新調査では強気を弱気派が上回り、個人投資家の慎重姿勢が鮮明で、機関投資家主導の株高と個人の悲観が対照的な構図となっている。

来週のイベント

6月1日(月)-2日(火):ISM製造業景況指数(5月)

6月3日(水)-4日(木):ISM非製造行景気指数(5月)

6月5日(金):米国雇用統計

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました