今週のマーケット要約
- 米国株はハイテク主導で軟調。NASDAQは週後半まで5営業日続落し週間で大幅安(約-4.6%)、S&P500も週間で約-2%下落した一方、NYダウは小幅上昇とローテーションが鮮明だった。半導体株の下落とAI関連需要・チップ価格上昇によるマージン圧迫懸念が重し。四半期末のリバランスとハイテクからの資金循環も一因との見方。
- FRBが重視するPCE物価指数(5月分)が前年比+4.1%と約3年ぶりの高水準で着地(6/26公表)。コアPCEも+3.4%、個人所得・消費支出はともに+0.7%と堅調。エネルギー高が主因とされ、利下げ期待の後退・年内利上げ観測を補強した。
- 原油は中東プレミアムをほぼ剥落させ急落。WTIは$69.23、Brentは$71.99と「米イラン戦争前」の水準まで低下。ホルムズ海峡からのタンカー退避〜航路拡大が進み、供給途絶懸念が後退した。
- 地政学は脆弱な停戦が動揺。トランプ大統領は6/26、イランがホルムズ海峡で貨物船をドローン攻撃し停戦に違反したと表明、米軍がイランのミサイル・ドローン関連施設等を空爆した。しかし、原油は逆に下落しており、供給途絶懸念より戦争プレミアム剥落が優勢だったとの解釈。
- 米新規失業保険申請件数は21.5万件と市場予想(22.0万件)を下回り、労働市場の底堅さを示した。
- 日本株は反落。日経平均は週間で約-3%。6/22に一時史上最高値圏(約72,800円)を付けた後、米ハイテク安と円安一服を背景に上値が重くなった。
- 全体テーマは「高インフレ再燃 × タカ派FRB × ハイテク調整」。地政学リスクは一旦後退方向に傾いた。前週(6/16にBOJが31年ぶりの利上げで1.00%、6/17にFRBが据え置き+ドットプロットがタカ派転換)の流れが今週の地合いの土台となっている。
今週の主導アセット(Market Drivers)
ハイテク主導の調整・セクターローテーション
今週の米国株を最も動かしたのはハイテクの調整だった。AIインフラコストの上昇とチップ価格高によるテック企業のマージン圧迫が懸念され、半導体セクターを中心に売りが広がった。NASDAQは週末まで5営業日続落し、Nvidia・Alphabetなど主力に弱気が波及した一方、原油安・金利低下の恩恵を受けやすいディフェンシブ・景気敏感セクターへ資金が循環し、NYダウは相対的に底堅く推移した。四半期末のリバランスと、これまで買われ過ぎていたハイテクからの利益確定が重なったとの見方が報じられている。
中東プレミアム剥落と原油急落
中東情勢は依然として緊張をはらむものの、原油は戦争プレミアムをほぼ吐き出した。トランプ大統領は6/26、イランがホルムズ海峡で貨物船をドローン攻撃し停戦に違反したと表明し、米軍がイランの軍事関連施設を空爆したと報じられた。しかし市場の反応は限定的で、むしろタンカーの海峡退避から航路拡大(6/27)へと供給不安が後退する流れが優勢となり、WTIは$69台、Brentは$72台へ下落した。これは米イラン戦争前の水準であり、地政学イベントの「悪材料出尽くし」的な受け止めだったとの解釈もできる。
週間パフォーマンス表
今週はハイテク安と原油急落が同時進行した週だった。NASDAQが続落して指数間の格差(ダウ優位)が広がり、原油はWTI・Brentともに戦争前の水準まで下げた。日経平均は最高値圏から反落した。
| 市場 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 |
| S&P500 | 7,501 | 7,354 | -1.95% |
| NYダウ | 51,565 | 51,876 | 0.60% |
| NASDAQ | 26,518 | 25,298 | -4.60% |
| 米10年債 | 4.455 | 4.376 | -1.77% |
| 日経平均 | 71,250 | 69,361 | -2.65% |
| TOPIX | 4044.96 | 3963.36 | -2.02% |
| WTI原油 | 76.6 | 70.3 | -8.23% |
| ゴールド | 4155.0 | 4088.4 | -1.60% |
| DXY | 100.8 | 101.4 | 0.60% |
市場センチメント
週末時点の値は VIX 18.88
来週のイベント
7月1日(水):ISM製造業景気指数
7月2日(木):米雇用統計 ※独立記念日(7/3)の祝日前倒しで木曜公表




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