2026/08/02~2026/08/08 振り返り

今週のマーケット要約

  • 米株は週を通じて大幅高。S&P500は最高値を更新し、4月以来の強い週間上昇となった。ハイテク中心だった上げ相場が、大型株・中型株・小型株へ幅広く広がったのが今週の特徴である。
  • 最大の材料は7月米雇用統計(08/07)。非農業部門雇用者数が前月比2.3万人減と予想(+8万人前後)を大きく下回り、5〜6月分も合計10.3万人下方修正された。労働市場の減速を受け、市場が織り込んでいたFRB利上げ観測が後退した。
  • ウォーシュ新議長体制下で「利上げ」が意識されていた地合いだったため、弱い雇用統計は株式にとって「悪いニュースは良いニュース」として作用した。9月利上げ確率は報道ベースで57%→44%へ低下した。
  • ホルムズ海峡の再開に向けた協議進展(イラン・オマーンの合意報道)を受け、原油は週間で約7.7%下落。エネルギー由来のインフレ懸念が和らぎ、株高を後押しした。
  • 一方でゴールドは週間+8.7%と急伸し、心理的節目の4,400ドルを突破。ドル安・地政学リスクプレミアム・中銀の継続買いが背景とされる。
  • 前週末(7/31)の日米協調介入の余波と、週末の弱い米雇用統計が重なり、ドル円は155〜158円で乱高下した。週初は追加介入への警戒から円高が進み、週末は雇用統計を受けて再び円買いが優勢となった。
  • 日本株は日経平均・TOPIXともに反発。AI・半導体関連の売り一巡と主力企業決算が買いを呼んだが、政府・日銀による為替介入観測が相場のボラティリティ要因となった。

今週の主導アセット(Market Drivers)

7月米雇用統計の予想外の悪化とFRB利上げ観測の後退

今週の最大のドライバーは08/07発表の7月米雇用統計だった。非農業部門雇用者数は前月比2.3万人の減少となり、市場予想(8万人前後の増加)を大きく下回った。加えて5月・6月分が合計10.3万人下方修正され、労働市場の減速が鮮明になった。失業率は4.1%へ低下したものの、これは就労者・求職者の減少(労働参加の低下)による面が大きいと報じられている。

ウォーシュ新議長体制の下で金融政策が引き締めバイアスに傾くとの警戒が続いていたため、労働市場の弱さは利上げ観測を後退させる材料となり、株式市場では「悪いニュースは良いニュース」として好感された。米金利は低下し、10年債利回りは週間で8bp低下した。9月利上げの織り込みは報道ベースで発表後数時間で57%から44%へ低下している。

ホルムズ海峡の再開進展と原油の急落

週前半から、米・イランの緊張緩和とホルムズ海峡の再開に向けた協議進展が報じられた。イラン外務省はオマーンとの間で海峡管理に関する了解に至ったとし、共同発表の最終調整に入っていると伝わった。海峡封鎖による供給途絶懸念が和らいだことで、原油(WTI)は3週間ぶりの安値まで下落し、週間で約7.7%安となった。原油安はエネルギー由来のインフレ圧力を後退させ、利上げ観測の低下と相まって株高を支えた。

ゴールドの最高値更新

ゴールドは週間で約8.7%上昇し、節目の4,400ドルを突破して過去最高水準を更新した。報道では、継続的なドル安、地政学リスクプレミアム、各国中銀による継続的な買いが背景として挙げられている。加えて、弱い雇用統計を受けた利上げ観測の後退もゴールドの追い風となった。株高とゴールド高が同時進行した点は、金利低下・ドル安という共通の駆動要因を反映したものと考えられる。

週間パフォーマンス表

米株は雇用統計を受けた利上げ観測の後退と原油安を背景に幅広く上昇し、S&P500は最高値を更新した。原油はホルムズ海峡の再開進展で大きく下落する一方、ゴールドはドル安・地政学・中銀買いを背景に急伸した。日本株も反発したが、為替介入観測が上値の重石となる場面もあった。

市場 前週末 今週末 週間騰落
S&P500 7,490 7,758 3.58%
NYダウ 52,485 54,037 2.96%
NASDAQ 25,374 26,691 5.19%
米10年債 4.718 4.66 -1.23%
日経平均 64,362 65,606 1.93%
TOPIX 4003.3 4074 1.77%
WTI原油 86.8 78.2 -9.92%
ゴールド 4045.2 4399.7 8.76%
DXY 99.8 99.6 -0.20%

市場センチメント

VIXは週初15台後半から週末14台後半へ緩やかに低下して着地した。雇用統計を受けた利上げ観測の後退と株高が続く中でリスク選好が強まり、週を通じて低ボラティリティが維持された。CNN Fear & Greed Indexは週末時点で63と「Greed(強欲)」ゾーンにあった。株高を背景に、週を通じてセンチメントは楽観方向で推移したとみられる。

来週のイベント

8月12日(水): 7月米消費者物価指数(CPI)

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