今週のマーケット要約
- 今週も相場へ強く影響したのは、中東・ホルムズ海峡情勢である。米・イランの「タンカー戦争」が海上で激化し、原油(WTI)は週間で約9%上昇して1バレル100ドル台に乗せた。エネルギー高がインフレ再燃懸念とリスクオフを招き、株式は総じて軟調となった。
- 米インフレ指標が上振れした。8月CPI(9/11発表)は前月比+0.4%・前年比+3.4%、コアは前年比+2.4%と、ガソリン高を主因に加速。前日の米PPIも高止まりを示し、来週のFOMCを前に利上げ観測が強まった。
- 米長期金利が急伸した。米10年債利回りは週末にかけて上昇し、5%に接近する水準(約4.97%)で引けた。金利上昇はハイテク・グロース株の重石となった。
- 米国株は3指数そろって下落。祝日(レイバーデー、9/7)明けの短縮週で、原油高・金利高・インフレ再燃という逆風が重なった。
- 日本株も反落。金利上昇・原油高の波及に加え、9月限メジャーSQ(9/11)通過に伴う需給要因もあり、日経平均は週間で約1.5%下げた(12日終値ベースは11日終値と同水準)。
- 市場センチメントはリスクオフに傾き、CNN Fear & Greed Indexは週末時点で「Fear(恐怖)」圏まで低下した。
- 中国経済は今週の直接的な相場材料としては限定的だが、デフレ長期化・不動産調整の構造問題が引き続き下押し要因として意識されている。
今週の主導アセット(Market Drivers)
中東・ホルムズ海峡情勢と原油高
今週最大の相場ドライバーは、ホルムズ海峡を巡る米・イランの武力衝突の激化である。報道によれば、米国がイランのタンカーを標的とする一方、イランは米艦艇に向けて弾道ミサイルを発射するなど、数カ月に及ぶ対立が海上で一段とエスカレートした。ホルムズ海峡は世界の石油供給の約2割が通過する要衝であり、供給不安から原油価格は連日上昇。WTIは6営業日続伸となる場面もあり、週末は1バレル100ドル前後まで水準を切り上げた。週後半にはイランと湾岸諸国(GCC)がオマーンで海峡の航行管理を協議するとの報道が伝わり、上値追いは一服した。あわせて、サウジアラビアの8月産油量が1990年以来の低水準まで急減したと報じられ、需給の引き締まりも意識された(報道ベース)。
米インフレ再燃とFOMC利上げ観測
エネルギー高が物価指標に波及した。8月CPIは前月比+0.4%(前月+0.1%)、前年比+3.4%、コア(食品・エネルギー除く)は前年比+2.4%と、ガソリン価格の上昇(前月比+3.9%)を主因に加速した。前日の米PPIもインフレの高止まりを示し、来週のFOMC(9/15〜16)を控えて市場は利上げ方向に織り込みを進めた。報道・予測市場では0.25%利上げが最有力視される展開となった。物価再燃と金融引き締め観測を映し、米10年債利回りは週末に約4.97%と5%に迫る水準まで上昇し、株式(特にハイテク)の重石となった。
日本株の反落(金利・原油高の波及)
日本株は米国発の金利上昇・原油高の逆風を受けて反落した。報道では、対イラン紛争の長期化懸念や原油続伸、米長期金利の上昇が投資家心理を悪化させ、半導体・ハイテク関連を中心に利益確定売りが広がったとされる。加えて9/11は9月限メジャーSQの算出日にあたり、過熱感の沈静化・需給要因も下落に寄与した。日経平均は週間で約2%以上下落した。
週間パフォーマンス表
原油が週間で約9%上昇と突出して大きく動いた一方、米長期金利は5%に迫る水準まで上昇した。株式は米・日ともに下落し、なかでもNYダウの下げが目立った。金利上昇局面ながらドル指数(DXY)はほぼ横ばいで、金(ゴールド)は小幅安にとどまった。数値の背景はいずれもインフレ再燃・中東情勢という今週のテーマに沿ったものである(各市場の要因分析は上記テーマを参照)。
| 市場 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,718.60 | 7,656.98 | -0.80% |
| NYダウ | 53,414.25 | 52,573.29 | -1.57% |
| NASDAQ | 26,506.99 | 26,333.04 | -0.66% |
| 米10年債 | 4.78% | 4.97% | +19bp |
| 日経平均 | 65,020.94 | 64,011.34 | -1.55% |
| TOPIX | 4103.23 | 4028.3 | -1.83% |
| WTI原油 | 91.48 | 100.05 | +9.37% |
| ゴールド | 4,429.8 | 4,408.9 | -0.47% |
| DXY | 99.16 | 99.10 | -0.06% |
市場センチメント
今週のセンチメントは中東情勢の緊迫と米インフレ再燃を背景に、週を通じてリスクオフ方向へ傾いた。VIX(恐怖指数)は週初の15前後から、原油高・金利上昇が意識された週央(9/10)に一時18台まで上昇し、その後は週末にかけて15台へ戻して引けた。方向感としては「低水準ながら週央にかけて警戒感が高まった」週といえる。CNN Fear & Greed Indexは週末(9/11)時点でスコア33前後の「Fear(恐怖)」圏にあり、株安・金利上昇局面でセンチメントが慎重化したことを映している。全体として、極端なパニックには至らないものの、恐怖側へ振れつつある1週間であった。
来週のイベント
9月16日(水):FOMC政策金利発表・SEP(経済見通し・ドットプロット)公表
9月17日(木)〜18日(金):日銀金融政策決定会合(結果は18日、総裁会見15:30 JST)






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