今週のマーケット要約
- 米国株3指数は週間で下落し、S&P500とNASDAQは3週続伸が途切れた。債券売り(長期金利上昇)がリスク資産の重石となった。
- 週央にかけて半導体・AI関連株が売られ、NASDAQと日経平均が大きく下げた。日経平均は週初から週央にかけて高値からの下げがきつかった。
- 米イラン緊張の再燃観測と、トランプ政権による対イラン「経済戦争」計画への警戒から原油が急伸した。エネルギー高がインフレ観測を刺激した。
- 8月に入り雇用・CPI・PPIが軒並み軟調で、9月FOMCでの「利上げ」観測が後退した(報道では利上げ確率が約5割から約3割へ低下)。ドル安・金利低下観測を背景にゴールドが大幅高となった(事実/報道)。
- 金曜(08/21)は米PMI(総合業況)が4年超ぶりの高い伸びとなり、Ross Storesの好決算も追い風に株が反発。NYダウは約518ドル高で引けた。ただし週間ベースではマイナスを維持した。
- 市場の関心は来週のジャクソンホール(ウォーシュ議長の初講演=08/28)と、08/26のPCE統計に移りつつある。
今週の主導アセット(Market Drivers)
債券売り・長期金利上昇
今週の株安の中心にあったのは債券市場だった。インフレ再加速と財政赤字拡大への警戒から米国債が売られ、報道によれば30年債利回りは約20年ぶりの高水準を付けたとされる。長期金利の上昇はバリュエーションの高いグロース株に逆風となり、週前半のリスクオフを主導した。ウォーシュ議長下のFRBは事前に政策意図を示さない運営に転じており、9月16日のFOMCを前に金利の振れが大きくなりやすい地合いだった、という見方がある。週末にかけては金利がやや落ち着き、株の反発を後押しした。
半導体・AI株の調整
週央(08/18〜08/19)は半導体・AI関連株のセルオフが目立った。報道では半導体セクターが一時5%規模で下落し、NASDAQ100を押し下げた。日本株でも同様の流れが波及し、キオクシアやフジクラなど一部の半導体・AI関連銘柄が大きく下落、日経平均は月曜の高値(約6万9千円台)から水曜の安値(約6万5千円台)まで、ピークからの下げ幅が5%規模に達したと報じられた。景気敏感・高PERのハイテク主導で調整が進んだ点が、今週の株安の質を特徴づけた。
米イラン緊張と原油高
原油は週初から急伸した。米イラン戦争の再燃観測と、トランプ政権による対イランの「経済戦争」計画への思惑がエネルギー需給の逼迫懸念を高めた。原油高はヘッドラインのインフレ圧力を押し上げるため、金利上昇観測と相まって株式のセンチメントを冷やす方向に働いた。地政学要因は週を通じて相場の下値不安の一因であり続けた。
ゴールド急騰
ゴールドは今週の勝ち組だった。8月に入っての雇用・CPI・PPIの相次ぐ軟化で9月利上げ観測が後退し、ドル安・実質金利の低下観測が金の追い風となった。報道ではゴールドは8月として年初来最大級の上昇となり、2ヶ月ぶりの高値圏に浮上したとされる。地政学リスクと利下げ(利上げ後退)期待の両面が同時に効いた点が、今週の金高の背景といえる。
ゴールド半年チャート
週間パフォーマンス表
週間では米国株3指数がそろって下落し、金利上昇と半導体売りが重石となった。一方でコモディティは強く、原油は米イラン緊張、ゴールドは利上げ観測後退を背景に大きく上昇した。ドルは軟調だった。
| 市場 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,757.64 | 7,674.37 | -1.07% |
| NYダウ | 53,732.41 | 53,277.01 | -0.85% |
| NASDAQ | 26,729.16 | 26,180.46 | -2.05% |
| 米10年債 | 4.70 | 4.74 | +4bp |
| 日経平均 | 68,713.80 | 66,016.36 | -3.93% |
| TOPIX | 4197.2 | 4067.29 | -3.10% |
| WTI原油 | 82.40 | 87.06 | +5.66% |
| ゴールド | 4437.3 | 4,680.6 | +5.48% |
| DXY | 99.67 | 98.84 | -0.80% |
市場センチメント
VIXは週を通じて15前後の低水準で推移した。株式が下落する中でも恐怖指数は大きくは上がらず、週央の債券ボラティリティ上昇時に一時16台へ跳ねたものの、週末は15台前半へ戻して着地した。株安の割に警戒が高まらない、いわゆる「静かな下げ」の様相だった。
CNNのFear & Greed Indexは週初の60台半ば(Greed)から、週央にかけて50台前半まで低下し、週末は55前後(依然Greedだが中立寄り)で終えた。強気ムードが一段冷やされ、中立に近づいた1週間だった。
来週のイベント
8月26日(水):米GDP(速報値)・PCEデフレータ
8月27日(木)〜29日:ジャクソンホール経済シンポジウム(ウォーシュ議長は08/28に講演予定)







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