自分でメールサーバーを運用するメリットととして、「メールアドレスを自由に取得できる」ことがあります。しかも、受信メールを複数のメールボックスではなく、一つのメールボックスで管理することができます。
これはスパムメールに対するアドバンテージになります。サービス開始のための会員登録にメールアドレスが必要になることがありますが、このメールアドレスの登録でスパマーにアドレスが流出することがあります。
その対策として、gmailやフリーメール等で「捨てアドレス」を取得する人も多いでしょう。しかし、捨てアドレスを増やすと受信箱の管理が煩雑になってしまいます。
そこでおすすめなのが、サービスごとのメールアドレスをエイリアスで作ることです。もしそのメールアドレスがスパムの餌食になっても、エイリアスを解除すればスパムとおさらばできます。また、どこのサービスがメールアドレスをスパマーに漏らしたかもわかります。
エイリアスメールアドレスの作り方
作り方は簡単です。/etc/aliases にエイリアスアドレスと、それを受信する実在するメールアカウントを記載し、/bin/newaliases を実行するだけです。
alias というアドレスに届いたメールを cassis というユーザのメールボックスに送る場合のコマンドの例は以下のようになります。(ropot ユーザで実行する必要があります。)
echo "alias: cassis" >> /etc/aliases
/bin/newaliases
覚えるのが面倒な人は、以下のスクリプト(set_alias.sh)を利用してみてください。エイリアス名 と 実ユーザ名 を引数として実行するだけです。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 | #!/bin/bash HELP="\ Usage: bash $0 alias user " main() { local alias=$1 local user=$2 cp /etc/aliases /etc/aliases.bak.`date '+%Y%m%d%H%M%S'` cat /etc/aliases | grep -v "^$alias:" > /etc/aliases echo "$alias: $user" >> /etc/aliases /bin/newaliases } if [ $# -ge 2 ] ; then main "$@" else ! echo -n "$HELP" fi |
上のスクリプトを set_alias.sh という名前で保存して、root ユーザーで実行します。実行例は以下の様になります。(こちらも、alias というアドレスに届いたメールを cassis というユーザのメールボックスに送る場合の例です。)
動作環境
/etc/aliases は MTA 共通のようなので、Postfix 以外でも動くと思います。私が動作確認しているのは CentOS 7 と Postfix 2.10系 です。