今週のマーケット要約
- 今週はジャクソンホール会議が最大の焦点となった。ウォーシュFRB議長がインフレ動向への警戒を示すタカ派的な講演を行い(8/28)、市場は9月の利上げ観測を強めた。議長は「今夏のPCEやCPIは予想より良好だったが、基調的なトレンドが有意に改善したとは言えない」との趣旨を述べた。
- 週間では米主要3指数(S&P500・NYダウ・NASDAQ)がそろって上昇し、3週ぶりの週間プラスとなった。ただしS&P500は依然として直近2週間のレンジ内にとどまり、上値追いには至っていない。上昇銘柄数は半数未満、上昇セクターも11業種中3業種にとどまるなど、物色の広がりは限定的だった。
- 半導体の主役エヌビディアが8/26引け後の決算で市場予想を上回る結果と強気の見通しを示し、翌8/27に急伸した(報道では約9%上昇)。一方で週の最終日(8/28)はエヌビディア・インテル等の半導体安が指数の重しとなり、S&P500・NASDAQは反落して着地した。
- 7月コアPCEは前月比+0.2%・前年比+3.3%と市場予想通りの結果だったが(8/26)、利上げ観測を後退させるには至らなかった。
- コモディティは軟調。原油は米国の対イラン追加制裁を受けて8/24に下落し、その後ホルムズ海峡の通航増加も伝わり、週を通じて上値の重い展開となった。金はドル高・短期金利上昇を背景に週間で下落し、週前半につけた約3か月ぶりの高値から反落した。
- 中国は7月のPMIが節目割れとなるなど景気の弱さが意識され、追加緩和観測がくすぶった(報道では人民銀行が年内2度目となる預金準備率の引き下げを実施)。
今週の主導アセット(Market Drivers)
ジャクソンホール会議とウォーシュ議長のタカ派姿勢
今週の相場を最も動かしたのは、ジャクソンホール会議とウォーシュFRB議長の講演である。議長はインフレの基調が十分に改善していないとの認識を示し、9月会合での利上げの可能性を意識させるタカ派的なトーンを打ち出した。これを受けて短期金利の先高観が強まり、金曜(8/28)の米国株は週間の上昇分を一部吐き出す形で反落した。市場では年末までの利下げ織り込みが依然残る一方、目先は利上げ方向へのバイアスが意識される、という綱引きの構図となっている。
エヌビディア決算とハイテク物色
週半ばの注目イベントであったエヌビディアの決算(8/26引け後)は、市場予想を上回る内容と強い見通しが好感され、翌8/27の急伸につながった。AI関連への物色が指数を下支えし、NASDAQは週間で主要3指数の中でも相対的に堅調だった。もっとも、その勢いは金曜まで続かず、半導体株の反落が指数全体の重しとなった点は、ハイテク主導の相場の脆さを示すものとも受け止められている。
コモディティ安(原油・金)
原油は、米国の対イラン追加制裁という供給リスク要因が意識されたものの、8/24に下落した。報道では、週末にかけてホルムズ海峡を通過する原油タンカーが増加し、目先の物理的な供給逼迫懸念が後退したことや、直近の高値圏での利益確定売りが背景とされる。金も、ウォーシュ議長のタカ派講演を受けたドル高・短期金利上昇により投資妙味が低下し、週前半につけた約3か月ぶりの高値(報道では約4,681ドル)から反落、週間で下落した。
週間パフォーマンス表
米国株は主要3指数がそろって小幅上昇し3週ぶりの週間プラスとなったが、金曜の半導体安が上値を抑えた。コモディティは原油・金ともに軟調で、ドル指数は上昇した。
| 市場 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,674 | 7,712 | 0.49% |
| NYダウ | 53,277 | 53,560 | 0.53% |
| NASDAQ | 26,180 | 26,402 | 0.85% |
| 米10年債 | 4.74 | 4.73 | -1bp |
| 日経平均 | 66,016 | 66,406 | 0.59% |
| TOPIX | 4067.29 | 4146.71 | 1.95% |
| WTI原油 | 87.1 | 83.5 | -4.15% |
| ゴールド | 4680.6 | 4455.0 | -4.82% |
| DXY | 98.8 | 99.7 | 0.85% |
市場センチメント
VIXは週初の16近辺から週末にかけて14台半ばへ緩やかに低下し、週を通じて落ち着いた水準で推移した。株価がレンジ内で底堅く推移し、エヌビディア決算という最大のイベントを無難に通過したことが、警戒感の後退につながったとみられる。CNN Fear & Greed Indexも週間を通じて概ね50台半ば(Neutral〜やや強気)で横ばい圏を保ち、週末は54前後で着地した。
来週のイベント
9月1日(火):ISM製造業景気指数
9月3日(木):ISM非製造業(サービス業)景気指数
9月4日(金):米雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)






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