今週のマーケット要約
- 米雇用統計(8月分)が上振れし、FRBの利上げ観測が再燃した週だった(09/04)。非農業部門雇用者数は+16.2万人と市場予想(約+5.3万人)を大きく上回り、失業率は4.1%で横ばい。米金利が上昇し、金曜の米国株は下落した。
- 中東情勢の緊迫が原油を押し上げた。米国によるイランへの追加攻撃と、それに対するイランの報復・ホルムズ海峡の通航リスクを背景に、WTI原油は週間で約+9.7%と7月中旬以来の大幅高となった。
- 日本の長期金利が急騰した。10年物国債利回りが日中に一時3.0%と、約30年ぶり(1996年9月以来)の水準を付け、金利上昇が日本株の重石となった。日経平均は週間で下落した。
- 世界的な「金利高」が共通テーマとなった週で、米・日ともに長期金利の上昇が株式のバリュエーションを圧迫した。一方でナスダックとS&P500は週間ではわずかにプラスを維持し、指数間で明暗が分かれた。
- 9/15〜16のFOMC(利上げの有無が焦点)を控え、利上げ観測は「五分五分」との見方も出ており、市場の警戒感が週後半にかけて高まった。
- 中国は大規模刺激策ではなく、消費・サービス業を軸とした的を絞った政策対応を続ける姿勢とされ、今週は市場を大きく動かす材料とはならなかった。
今週の主導アセット(Market Drivers)
米雇用統計の上振れとFRB利上げ観測の再燃
今週の米国市場を最も動かしたのは、金曜(09/04)に発表された8月雇用統計である。非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回り、失業率も低水準で安定していたことから、労働市場の底堅さが確認された。ウォーシュ議長が「基調的なインフレは十分に改善していない」との認識を示していたこともあり、市場は強い雇用を「FRBが追加利上げに動く材料」と受け止めた。報道によれば、この結果を受けて米金利先物が織り込む9月会合での利上げ確率は上下し、直前には「五分五分」との見方も広がった。金曜は米長期金利の上昇を受け、アップル、アルファベット、マイクロソフトなど大型テック株が売られ、主要指数を押し下げた。
中東情勢の再緊迫と原油急騰
米国によるイランへの追加攻撃をきっかけに中東情勢が再び緊迫し、原油相場が急伸した。イランが域内の米軍基地やホルムズ海峡を通航する船舶を標的にすると報じられ、供給途絶リスクが「戦争プレミアム」として再び価格に上乗せされた形である。報道では、米原油在庫の減少やディーゼル市場の逼迫も追い風になったとされる。WTI原油は週末に91ドル台へ上昇し、週間で約+9.7%と7月中旬以来の大幅高となった。
日本の長期金利急騰と日本株の重石
日本では長期金利の上昇が株式市場の重石となった。10年物国債利回りが日中に一時3.0%と約30年ぶりの水準に達し、金利上昇が高PER・値がさ株を中心に売りを促した。報道ベースでは、日経平均は下げ幅を広げる場面もあったが、後場は原油高を手がかりに商社・資源関連株が買われ、内需・電力にも資金が向かったことで安値から戻して引ける日もあった。9/17〜18の日銀金融政策決定会合を控え、国内金利に敏感な業種の動向が引き続き注視されている。
週間パフォーマンス表
今週は「米雇用統計の上振れによる利上げ観測」と「中東緊迫による原油急騰」「日本の長期金利急騰」という3つの金利・地政学要因が交錯した。米国株はナスダック・S&P500が小幅高、ダウが小幅安と方向感が分かれ、日経平均は金利上昇を嫌気して下落した。商品市況では原油が突出して上昇する一方、ゴールドはほぼ横ばいだった。
| 市場 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,711.76 | 7,718.60 | +0.09% |
| NYダウ | 53,559.99 | 53,414.25 | -0.27% |
| NASDAQ | 26,402.42 | 26,506.99 | +0.40% |
| 米10年債 | 4.72% | 4.78% | +6bp |
| 日経平均 | 66,405.56 | 65,020.94 | -2.09% |
| TOPIX | 4146.71 | 4103.23 | -1.05% |
| WTI原油 | 83.40 | 91.48 | +9.69% |
| ゴールド | 4,478.1 | 4,476.6 | -0.03% |
| DXY | 99.70 | 99.16 | -0.54% |
市場センチメント
VIX(恐怖指数)は、前週末の14台半ばから週初は概ね14〜15台で推移したが、利上げ観測と地政学リスクが意識された週前半(09/01)に一時16台前半へ上昇した。その後は米国株の底堅さもあって低下し、週末(09/04)は14台半ばで着地した。週間では方向感に乏しかったものの、週中に一度リスク警戒が強まった展開だった。
CNN Fear & Greed Index は、前週末の52前後(Neutral=中立圏)から低下し、42前後(Fear圏)で引け、週を通じて「中立→恐怖」へ傾いた。
来週のイベント
9月11日(金):米国CPI(消費者物価指数、8月分)



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