今週のマーケット要約
- 米6月雇用統計(7/2)が非農業部門雇用者数+5.7万人(予想約11万人)と2月以来の弱さとなり、失業率は4.2%へ低下。労働市場の減速を受け、市場は年内利上げ観測を後退させた。
- 雇用弱含みを受け、米短期金利は低下(2年債利回りは4.13%台)、ドルは軟化、金は反発した。株式は「利上げ圧力後退」を好感し、休場前の木曜に先物が上昇。
- 一方でAI・半導体株は木曜(7/2)に急落し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は一時6%超下落。テスラは第2四半期の納車が過去最高(48万台超)にもかかわらず約7.5%下落した。
- 週間ベースでは休場(7/3の独立記念日振替)で短縮取引ながら、S&P500・NASDAQ・NYダウはそろって上昇。金利低下・雇用減速が半導体売りを相殺する形となった。
今週の主導アセット(Market Drivers)
米6月雇用統計の下振れと利上げ観測の後退
今週の相場を最も動かしたのは、7月2日発表の米6月雇用統計である。非農業部門雇用者数は前月比+5.7万人にとどまり、市場予想(約11万人)を大きく下回った。前月(5月)分も+12.9万人へ下方修正され、雇用の勢いが鈍っていることが確認された。失業率は4.2%へ低下したものの、これは労働参加率が61.5%(2021年3月以来の低水準)へ落ち込んだことが主因であり、労働需要の強さを示すものではないと報じられている。
市場では、この結果を受けて「FRBが早期に追加利上げへ動く圧力は乏しい」との見方が広がった(Principal Asset Managementのストラテジストコメント等)。9月利上げの織り込みが後退し、株式先物は発表後に上昇、短期金利は低下した。CME FedWatchでは7月末会合の据え置き確率が約75.6%と、据え置きがメインシナリオとして維持されている。
AI・半導体株の急落とバリュエーション警戒
7月2日、AI・半導体セクターが大きく崩れた。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は一時6%超下落し、売りはアジアのサムスン電子・SKハイニックスへも波及、韓国KOSPIでは一時サーキットブレーカーが発動した。著名投資家マイケル・バーリ氏が6月30日にテスラ・エヌビディア・半導体セクター等への新規空売りを開示したことも、地合い悪化のきっかけとして報じられている。
テスラは第2四半期の納車台数が48万0,126台(前年同期比+25%)と市場予想(約40.6万台)を大きく上回ったにもかかわらず、株価は約7.5%下落した。市場では「材料出尽くし(セル・ザ・ニュース)」に加え、地域偏重・マージン圧迫への懸念が改めて意識されたとの見方が出ている(報道ベース)。AIインフラ投資の過熱と、それに見合う長期収益の持続性への疑問が、セクター全体の調整につながったと解釈されている。
コモディティ(原油安定・金反発)
原油は、ホルムズ海峡を経由する商業船の通航回復とサウジ・UAEの輸出回復(戦前水準の約9割まで復調)を背景に、WTIが68ドル近辺で落ち着いた推移となった。2月の中東紛争前の水準に戻りつつある。金は、弱い米雇用統計を受けて利上げ観測が後退したことから買われ、金曜に1オンス4,170ドル前後(6月23日以来の高値)まで上昇。4週連続の下落から反発し、週間で約2%高となった。
WTI:
ゴールド:
週間パフォーマンス表
今週は独立記念日(7/4が土曜のため7/3金曜が休場)で短縮取引となった。米国株は雇用統計を受けた金利低下を好感し、S&P500・NASDAQ・NYダウがそろって上昇した。半面、木曜のAI・半導体急落によりハイテク・半導体は週内で大きく振れた。日本株は円高進行が重しとなりつつも、金曜に日経平均が反発した。
| 市場 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 |
| S&P500 | 7,354 | 7,483 | 1.76% |
| NYダウ | 51,876 | 52,900 | 1.97% |
| NASDAQ | 25,298 | 25,833 | 2.12% |
| 米10年債 | 4.376 | 4.485 | 2.49% |
| 日経平均 | 69,361 | 69,744 | 0.55% |
| TOPIX | 3963.36 | 4064.6 | 2.55% |
| WTI原油 | 70.3 | 68.5 | -2.56% |
| ゴールド | 4088.4 | 4175.7 | 2.14% |
| DXY | 101.4 | 100.8 | -0.51% |
市場センチメント
VIXは週初(6/28)の18台から週末(7/3)の16台前半へ緩やかに低下して着地した。米雇用統計を受けた利上げ観測後退が株式の押し上げ要因となり、指数ボラティリティは総じて落ち着いた推移となった。ただしFear & Greed Indexは週を通じて「Fear(恐怖)」ゾーンにとどまり、Put-Call Ratioは週前半0.99前後で推移した後、7月2日のAI・半導体急落を受けて金曜(7/3)に1.33へ上昇した。投資家心理はVIXが示すほど楽観には傾いていない。AI・半導体バリュエーションへの警戒が心理面の重しになっていると解釈される。
来週のイベント
7月6日(月):ISM非製造業(サービス業)景気指数(6月分)
- 注目理由:米GDPの約7割を占めるサービス業の景況感を測る指標。弱い6月雇用統計の直後だけに、景気減速がサービス業へ波及しているかを確認する材料となる。独立記念日の振替休日により、通常より後ろ倒しの月曜発表となった。
- 影響市場:米金利(2年・10年債)・ドル・米国株。





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