2026/05/31~2026/06/06 振り返り

今週のマーケット要約

  • ホルムズ海峡の実質的閉鎖が続く中、イランが交渉打ち切りと完全封鎖を宣言するなど中東リスクが再燃し、原油価格の高止まりがインフレを下支えした。
  • 週前半は、米国株が堅調な展開でスタートした。6/2にS&P500が初めて7,600を上回る水準を記録し、チップ株主導の上昇が継続した。
  • 週後半、Broadcomの決算発表では、売上・EPSは予想をわずかに上回ったものの、Q3のAIチップ売上ガイダンスが市場予想を下回り、通年見通しも据え置いたことが「セル・ザ・ニュース」を引き起こした。
  • さらに、6/5に発表された5月雇用統計は市場コンセンサスを大幅に上回り、「好景気=利下げ遠のく」の「グッドニュース=バッドニュース」の反応が重なり、半導体セクターを中心に、Nasdaq、S&P500 も大幅に下落。
  • 日本株は、日銀の6月利上げ観測が強まる中、週間では日経平均が小幅プラスで着地したが、週末にかけて半導体株が急落した。
筆者の中で、Broadcomは通信チップメーカというイメージが強かったが、現在は、GoogleのTPU、MetaのMTIA、OpenAIの独自チップなど、ハイパースケーラーのカスタムAIチップ(ASIC)の設計・製造受託を大規模展開中。そのためAI相場の温度計として市場から、強く意識されている。

今週の主導アセット(Market Drivers)

Broadcom決算に起因する半導体セクター崩落

Broadcom Q2 決算はEPS・売上ともに予想を小幅に上回ったが、Q3 AIチップ収益ガイダンスがと市場予想を下回り、通年のAI半導体見通しも据え置かれた。AIへの期待が高まりすぎた状態での「ガイダンス未達」が、Broadcom株を翌日大幅下落させ、サプライチェーン全体への連鎖売りを引き起こした。

米国5月雇用統計の上振れとFRBへの影響

5月雇用統計は予想の2倍以上に上振れ。失業率は横ばい。FRBの次回会合(6/16〜17)を前に利下げ観測がさらに後退し、年内の利上げ余地を市場が改めて意識し始めた。「強い雇用=インフレ鎮圧の必要性」の文脈から、金利上昇→グロース株売りという連鎖が週末の下落を増幅させた。

週間パフォーマンス表

ゴールドは、ドル高が重しとなり下落したと推測される。

市場 前週末 今週末 週間騰落
S&P500 7,580 7,384 -2.59%
NYダウ 51,032 50,867 -0.32%
NASDAQ 26,973 25,709 -4.68%
米10年債 4.437 4.532 2.14%
日経平均 66,330 66,588 0.39%
TOPIX 3957.17 3949.09 -0.20%
WTI原油 87.8 90.2 2.84%
ゴールド 4540.5 4327.9 -4.68%
DXY 98.9 100.1 1.14%

市場センチメント

VIXは週末にかけて20を超え上昇中。Fear&Greed指数は週頭からGreedゾーンからNeutralゾーンを経由し、Fearゾーンに傾いている。

 

来週のイベント

6月8日(月):日本実質GDP

6月10日(水):米国消費者物価指数(CPI)

雇用統計を受けて、市場がFRB利上げを部分的に織り込み始めた中、CPIが強ければ年内利上げ観測がさらに強まり株式・債権ともに下押し圧力

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