今週のマーケット要約
- 米国では7月CPI(8/12発表)が前年比3.4%へ鈍化し、コアCPIも前年比2.5%と2021年3月以来の低水準となった。翌日発表のPPIも予想以上に伸びが鈍化し、インフレ減速が改めて確認された。
- 弱い雇用データ(非農業部門雇用者数の減少・失業率4.1%)とインフレ鈍化を受け、9月FOMCでの利上げ懸念が後退。市場の関心は8/21開幕のジャクソンホールにおけるウォーシュ議長の発言に移った。
- S&P500は3週連続高となり、木曜日(8/13)には7,793の史上最高値を記録した。米国株はインフレ鈍化と底堅い決算に支えられた。
- 日経平均はAI関連株(アドバンテスト、ソフトバンクG、キオクシア等)を中心に大幅高となり、6万8千円台まで再上昇した。ただし史上最高値を回復するには至らず、戻り局面にとどまった。日銀の早期追加利上げ観測(高市政権が支持と報道、8/13)が並存する中でも上昇した。
- コモディティでは、中東情勢の緊迫(ホルムズ海峡再開交渉の行き詰まり)を背景にWTI原油が82ドル台へ上昇。金はインフレ鈍化・利下げ期待とドル軟化から4,400ドルを突破し、約2カ月ぶり(6月5日以来)の高値へ再上昇した(史上最高値は2026年1月の約5,589ドル)。
- 中国経済は内需の弱さとデフレ圧力の継続が引き続き市場の重石として意識された。
今週の主導アセット(Market Drivers)
米インフレ鈍化とFed利上げ懸念の後退
今週の米国市場を最も動かしたのはインフレ指標である。7月CPIは前年比3.4%へ鈍化し、コアCPIは前年比2.5%と2021年3月以来の低水準を記録した。翌日のPPIもエネルギー・食品価格の低下を背景に予想以上に鈍化した。これらを受けて、市場では9月FOMCでの追加利上げ観測が大きく後退し、金利は据え置きとの見方が優勢となった。報道では、焦点は週末のジャクソンホール・シンポジウムにおけるウォーシュ議長の発言へ移ったと伝えられている。S&P500は木曜に史上最高値を更新し、3週連続の週間上昇で引けた。
日本株の再上昇(AI関連主導)
日経平均はAI関連需要の再燃を背景に急伸し、6万8千円台まで再上昇したが最高値更新ではない。報道では、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、キオクシアなど半導体・AI関連銘柄が指数を牽引したとされる。一方で日銀は7月会合で政策金利を1.0%に据え置いた(賛成8・反対1)ものの、「利上げペースは市場想定より速い可能性」との見方が示され、9月または10月の追加利上げ観測がくすぶる。高市政権が早期利上げを支持しているとの報道(8/13)も出たが、株高の勢いは維持された。
原油高と金の最高値更新
原油は中東情勢の緊迫が主因となって上昇した。報道によれば、中東での紛争終結・ホルムズ海峡再開に向けた交渉が行き詰まり、エネルギー供給とシーレーンを巡る警戒感からWTIは82ドル台まで買われた。金はインフレ鈍化・利下げ期待とドル軟化を追い風に4,400ドルを突破し、記録的な高値を更新した。中央銀行の継続的な買い(中国人民銀行が21カ月連続で金を積み増しとの報道)も下支え要因として指摘されている。
WTI:
ゴールド:
[画像:USOILチャート] [画像:ゴールドチャート]
週間パフォーマンス表
今週は日経平均がAI関連主導で大きく上昇し、週間で最も目立つ動きとなった。原油は中東情勢を受けて反発し、金はインフレ鈍化・利下げ期待から最高値を更新した。米国株はS&P500・NASDAQが小幅高で3週続伸した一方、NYダウは小幅安と方向感が分かれた。
| 市場 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,757.64 | 7,785.76 | +0.36% |
| NYダウ | 54,036.93 | 53,732.41 | -0.56% |
| NASDAQ | 26,690.62 | 26,729.16 | +0.14% |
| 米10年債 | 4.66 | 4.70 | +4bp |
| 日経平均 | 65,606.71 | 68,713.80 | +4.74% |
| TOPIX | 4074 | 4,197.20 | +3.02% |
| WTI原油 | 78.18 | 82.40 | +5.40% |
| ゴールド | 4,340.70 | 4,437.30 | +2.23% |
| DXY | 99.60 | 99.64 | +0.04% |
市場センチメント
VIXは前週末の15前後(8/7終値14.9)から今週にかけて緩やかに低下し、週末には14.2台まで沈んで着地した。インフレ指標の鈍化と9月利上げ懸念の後退、株価の最高値更新を背景に、リスク選好が優勢だったことを映している。CNN Fear & Greed Indexは週を通じて「Greed(貪欲)」圏で推移し、週後半は65前後と強気姿勢が続いた。一方でAAIIの個人投資家調査(8/13時点)では、中立が増加し強気・弱気ともに低下した。指数が最高値圏にある割に強気が弱気をやや下回っており、個人投資家には慎重さも残る構図であった。
来週のイベント
8月17日(月):日本実質GDP
8月21日(金):日本全国消費者物価指数CPI






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